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Japanische Klassiker mit Furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lesen Sie 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.951 Zeichen · 51 Bildschirme

Aozora Bunko

そこに誰かが一人残って立っているが、突き落したのか、自然に落ちたのか分らないし、真ッ暗闇で、誰とも分らない。あの晩は曇天のところへ月の出のおそい晩のことだからな。ただオレが知っているのは、二人は皆の騒いでいる大部屋の方からデッキを歩いてきたことと、残った一人は船長室の方へ降りて行ったということだ。ほかに行方不明は居ないから、海へ落ちたのは八十吉だ。だが、もう一人は分らない」

「たいそうなことを知ってるじゃないか。それでハッキリしているな。その男は今村だ」

と五十嵐。

「ところが、そうはいかねえワケがある。翌朝オレが目をさましたとき、みんなまだ寝てやがるから奴らの顔を見てやったが、今村はオレたちの部屋にねていたぜ。それから竹造も寝ていたな」

間をおいて、声を怒らして喚いたのは清松であろう。

「フン。それじゃア部屋にねていたのはオレだけじゃないか。オレが犯人というワケか。バカにするな。オレは第一、あの晩は酒も飲まずに寝ていたのだ。大部屋へなんぞ行きやしねえ。部屋の外でオレを見かけた奴が一人でもいるか、探してこい」

「誰もお前が犯人だと言ってやしねえ」

と慰めたのは五十嵐。