Japanische Klassiker mit Furigana
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ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Lesen Sie 星女郎 (ほしじょろう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.344 Zeichen · 104 Bildschirme
顔を背けて、我にもあらず、縁に腰を落した内に、貴婦人が草鞋を結んだ。
堪らなくなって、飛出して、蔓を解こうと手を懸ける。胸を引いて頭を掉るから、葉を引って、私は涙を落しました。
(私なんざ構わんから。)
(いいえ、こうしてまで誓を立てぬと、私は貴下を殺すことを、自分でも制し切れない。一夜冥土へ留めました。お生きなさいまし、新にお存らえ遊ばせ。)
と、目を潤ましたが凜々しく云う。
(たとい、しばらくの辛抱でも。男を呪詛う気のないのは、お綾さんにも幸福です。そうしておおきなさいまし。)
と、貴婦人が、金剛杖も一所に渡した。
膝さがりに荷を下げて、杖を抱いてしょんぼり立つのを……
(さようなら、御機嫌よう。)
(はっ、)
と言って土間へ出たが、振返ると、若い女は泣いていました。露が閃めく葉を分けて、明石に透いた素膚を焼くか、と鬼百合が赫と紅い。
その時、峰はずれに、火の矢のように、颯と太陽の光が射した。貴婦人が袖を翳して、若い女を庇いました。……
あの、鬼の面は、昨夜、貴下を罵るトタンに、婦を驚かすまいと思って、夢中で投げたが――驚いたんです、猿ヶ馬場を出はずれる峠の下り口。