Japanische Klassiker mit Furigana
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ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Lesen Sie 星女郎 (ほしじょろう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.344 Zeichen · 104 Bildschirme
ておこう了簡。
薄の中へぐいと入れたが、ずぶりと参らぬ。草の根が張って、ぎしぎしいう、こじったが刺りません。えいと杖の尖で捏ねる内に、何の花か、底光りがして艶を持った黄色いのが、右の突捲りで、薄なりに、ゆらゆら揺れたと思うと、……」
「おお!」
「得も言われぬ佳い匂がしました。はてな、あの一軒家の戸口を覗くと、ちらりと見えた――や、その艶麗なことと申すものは。――
時ならぬ月が廂から衝と出たように、ぱっと目に映るというと、手も足も突張りました。
必ず、どんな姿で、どんな顔立じゃなぞとお尋ね御無用。まだまだ若衆の方が間違いにもいたせ、衣服の色合だけも覚えて来たのが目っけものじゃ。いやはや、私の方はただ颯と白いものが一軒家の戸口に立ったと申すまでで――衣服が花やら、体が雪やら、さような事は真暗三宝、しかも家の内の暗い処へ立たれた工合が、牛か、熊にでも乗られたようでな、背が高い。
(鬼じゃ、)
と、私一つ大声を上げました。
(鬼じゃ、鬼じゃ。)
と、こうぬっと腕を突張った。金剛杖を棄置いて、腰の据らぬ高足をと踏んで、躍上るようにその前を通った、が、可笑い事には、対方が女性じゃに因って、いつの間にか、自分ともなく、名告が慇懃になりましてな。