Japanische Klassiker mit Furigana
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ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Lesen Sie 星女郎 (ほしじょろう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.344 Zeichen · 104 Bildschirme
」
十二
「分りました。」
と三造は衣紋を合わせて、
「何ですか、その一軒家というのは、以前の茶屋なんでしょう、左側の……右側のですか。」
「御存じかな。」
「たびたび通って知っています。」
「ならば御承知じゃ。右側の二軒目で、鍵屋と申したのが焼残っておりますが。」
「鍵屋、――二軒目の。」
と云って境は俯向いた。峠に残った一軒家が、それであると聞くまでは、あるいは先達とともに、旧来た麓へ引返そうかとも迷ったのである。
が、思う処あって、こう聞くと直ぐに心が極った。
様子は先達にも見て取られて、
「ええ、鍵屋なら、お上りになりますかな。」
「別に、鍵屋ならばというのじゃありませんが。これから越します。」
と云って、別離の会釈に頭を下げたが、そこに根を生して、傍目も触らず、黙っている先達に、気を引かれずには済まなかった。
「悪いんですか、参っては。」
山伏は押眠った目を瞬いて開けた。三造を右瞻左瞻て、
「お待ち下さい。血気に逸り、我慢に推上ろうとなさる御仁なら、お肯入れのないまでも、お留め申すが私年効ではありますが、お見受け申した処、悪いと言えば、それでもとはおっしゃりそうもない。