Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Lesen Sie 星女郎 (ほしじょろう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.344 Zeichen · 104 Bildschirme
それにしては、お話しのその円髷に結った婦人に、一条路出会わねばならん筈、……何か、崖の裏、立樹の蔭へでも姿を隠しましたかな。いずれそれ人目を忍ぶという条で、」
「きっとそうでしょう。金沢から汽車で来たんだそうですから。」
先達は目をって、
「金沢から、」
「ですから汽車へいらっしゃる、貴下と逢違う筈はありません。」
「旅をかけて働きますかな。」
「ええ、」
「いや、盗賊も便利になった。汽車に乗って横行じゃ。倶利伽羅峠に立籠って――御時節がら怪しからん……いずれその風呂敷包みも、たんまりいたした金目のものでございましょうで。」
黙った三造は、しばらくして、
「お先達。」
「はい、」
と澄ました風で居る。
「風呂敷の中は、綺麗な蒔絵の重箱でしたよ。」
「どこのか、什物、」
「いいえ、その婦人の台所の。」
「はてな、」
「中に入ったのは鮎の鮨でした。」
「鮎の鮨とは、」
「荘河の名産ですって、」
先達は唖然として、
「どうもならん。こりゃ眉毛に唾じゃ。貴辺も一ツ穴の貉ではないか。怪物かと思えば美人で、人面瘡で天人じゃ、地獄、極楽、円髷で、山賊か、と思えば重箱。……宝物が鮎の鮨で、荘河の名物となった。