Japanische Klassiker mit Furigana
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ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
Lesen Sie 星女郎 (ほしじょろう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.344 Zeichen · 104 Bildschirme
鱗か、金の、と総毛立つ――と櫛でした。いつ取落したか、青貝摺ので、しかも直ぐ襟許に落ちていました。
待て、女の櫛は、誰も居ない夜具の中に入っていると、すやすやと寝息をするものか、と考えたくらい、もうそれほどの事には驚かず、当然のようだったのも、気がどうかしていたんでしょう。
しばらく手に取って視めていましたが、
(ええ、縁切だ!)
とちと気勢って、ヤケ気味に床の間へ投出すと、カチリという。折れたか、と吃驚して、拾い直して、密と机に乗せた時、いささか、蝦蟆口の、これで復讎が出来たらしく、大に男性の意気を発して、
(どうするものか!)
ぐっと潜って、
(何でも来い。)
で枕を外して、大の字になった、……は可いが、踏伸ばした脚を、直ぐに意気地なく、徐々縮め掛けたのは……
ぎゃっ!
あれは五位鷺でしょうな。」
「ええ。」
「それとも時鳥かも知れませんが、ぎゃっ! と啼きます……
可厭な声で。はじめ、一声、二声は、横手の崖に満充ちた靄の底の方に響きました。虚空へ上って、ぎゃっと啼くかと思うと、直ぐにまたぎゃっと来る。
ちょうど谷底から、一軒家を、環に飛び廻っているようです。