Japanische Klassiker mit Furigana
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せいざ
星座
有島 武郎
Lesen Sie 星座 (せいざ) von 有島 武郎 (ありしまたけお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.460 Zeichen · 235 Bildschirme
そしてその人は父と簡単な挨拶を取り交わすと、そこにあった書類をいちいち綿密に鞄の中にしまいこんで座を立った。おせいが父のあとについて送りだそうとすると、浅田は、
「お嬢さん、もうようございます。何、星野さんちょっとお顔を」
いったので、おせいはわざと遠慮した。二人は部屋の外の階子段の上で、あれこれ十分ほどもほそぼそと話をしていた。なぜともなく五体が震えるのを、寒さのせいかと思って、腰を折って火鉢の上に手をかざした。壁が崩れ落ちたと思うところに、日章旗を交叉した間に勘亭流で「祝開店、佐渡屋さん」と書いたびらをつるして隠してあるような六畳の部屋だった。建てつけの悪いガラス窓が風のためにひどい音を立てて、盗風が屋外のように流れこんだ。
父はやがて小むずかしい顔をして帰ってきた。「寒い家だどうも」とあたりを見まわしているのが、千歳の家を知りぬいているおせいには気恥かしいくらいだった。
「どうだ」
「私はいやです」
おせいは即座に答えた。父はむっとしたらしかったが、やがてしいて言葉を和らげながら、
「そう膠なくいっては話も何もできはしないがな。浅田さんのいうとおり、年のところに行くと少し明きすぎるようだが、わしらのような暮しでは一から十まで註文どおりにいかないのは覚悟していてくれんと埒はあくものではないぞ。