Japanische Klassiker mit Furigana
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はる
春
Lesen Sie 春 (はる) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.519 Zeichen · 20 Bildschirme
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「大村は電話で求婚したの。可笑しいでしょう? 何でも画に失敗して、畳の上にころがっていたら、急にそんな気になったんですって。だっていきなりどうだって言ったって、返事に困ってしまうじゃないの? おまけにその時は電話室の外へ母さんも探しものに来ているんでしょう? わたし、仕かたがなかったから、ただウイ、ウイって言って置いたの。……」
それから?――それから先も妹の話は軽快に事件を追って行った。彼等は一しょに展覧会を見たり、植物園へ写生に行ったり、ある独逸のピアニストを聴いたりしていた。が、彼等の関係は辰子の言葉を信用すれば、友だち以上に出ないものだった。広子はそれでも油断せずに妹の顔色を窺ったり、話の裏を考えたり、一二度は鎌さえかけて見たりした。しかし辰子は電燈の光に落ち着いた瞳を澄ませたまま、少しも臆した色を見せないのだった。
「まあ、ざっとこう言う始末なの。――ああ、それから姉さんにわたしから手紙を上げたことね、あのことは大村にも話して置いたの。」
広子は妹の話し終った時、勿論歯痒いもの足らなさを感じた。けれども一通り打ち明けられて見ると、これ以上第二の問題には深入り出来ないのに違いなかった。