Japanische Klassiker mit Furigana
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はる
春
Lesen Sie 春 (はる) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.519 Zeichen · 20 Bildschirme
彼女はそのためにやむを得ず第一の問題に縋りついた。
「だってあなたはあの人は大嫌いだって言っていたじゃないの?」
広子はいつか声の中にはいった挑戦の調子を意識していた。が、辰子はこの問にさえ笑顔を見せたばかりだった。
「大村もわたしは大嫌いだったんですって。ジン・コクテルくらいは飲みそうな気がしたんですって。」
「そんなものを飲む人がいるの?」
「そりゃいるわ。男のように胡坐をかいて花を引く人もいるんですもの。」
「それがあなたがたの新時代?」
「かも知れないと思っているの。……」
辰子は姉の予想したよりも遥かに真面目に返事をした。と思うとたちまち微笑と一しょにもう一度話頭を引き戻した。
「それよりもわたしの問題だわね、姉さんから話していただけない?」
「そりゃ話して上げないこともないわ。上げないこともないけれども、――」
広子はあらゆる姉のように忠告の言葉を加えようとした。すると辰子はそれよりも先にこう話を截断した。
「とにかく大村を知らないじゃね。――じゃ姉さん、二三日中に大村に会っちゃ下さらない? 大村も喜んでお目にかかると思うの。」
広子はこの話頭の変化に思わず大村の油画を眺めた。