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Japanische Klassiker mit Furigana

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とき ところ ひと

時 処 人

岸田 国士

Lesen Sie 時 処 人 (とき ところ ひと) von 岸田 国士 (きしだくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.739 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

(註=今の金にすれば、数千億というところであろう)

このような巨額の金を、毎日なしくずしに現金で支払わねばならぬということは、やがてフランスの財政を破綻にみちびくばかりでなく、国民その日その日の生活も極めて困難になるだろうというので、国をあげて心配した。

ところが、案に相違して、すべては、取越苦労であつた。財政家が眼をみはつているうちに、支払いはいともやすやすと行われ、国の信用は高まり、借款はあとからあとから出来た。実際に、フランスでは、出る金よりも入る金の方が多いという証拠がちやんと数字の上で示された。

いつたい、何がわれわれを救つたか? この奇蹟をやつてのけたのは、そもそも如何なる神か?

ほかでもない、「食いしん坊」という神である。

フランスを占領している連合国の軍隊、プルトン人も、ゲルマン人も、チュートン人も、ありとあらゆる侵入者たちは、みな一様に、フランス人の「舌の戦術」にひつかかつたのである。彼等は稀にみる食慾と、非凡な胃袋とをフランスに運んで来た。美食になれない外国人どもは、フランスの土を踏んで、生れてはじめて舌の正月をしたのである。彼等は料理店でも、食堂でも、居酒屋でも、カフェーでも、屋台店でも、しまいには、歩きながらでも、食い、かつ、飲んだ。