Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ばんしゅう

晩秋

山本 周五郎

Lesen Sie 晩秋 (ばんしゅう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.792 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

坐っている膝からすぐ右側に方三尺ばかりの木蓋をした切炉がある。厚みのある、重そうな、よく拭きこんだその木蓋を見ながら、都留はふと此の室が自分の起き臥しする処になるのではないかと思った。やや暫くして中年の背丈の高い武士がはいって来た。むりにひき結んでいるような口つきに特徴のある、頬骨の尖った、冷たい感じのする顔つきだった。

「そなたが都留というのだな」彼は惣兵衛からの手紙を読み終ると、こちらをじっと見まもりながら云った、「……そなたの身の上はかねて惣兵衛から聞いている、こんどの事に就いては自分からはなにも申すことはないが、ただこれだけは注意して置く、今後この屋敷の中でおこなわれる事は、すべて聞いてもならず、見てもならない、いいか、眼も耳も口も無くした心でいなければならぬ、それからもう一つ、私の情に駆られて軽挙をしてはいかん、これだけを固く申しわたして置く、それから」と、彼は手紙を巻き納めながらいった、「……自分はこの家のあるじ外記だ」

他の事は老女から然るべく教えるであろう、そう云って去ってゆく外記の足音を聞きながら、――あれが新しい岡崎の柱石といわれる外記さまか、そう思って都留はにわかに汗の湧くような気持に襲われた。