Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちえこのはんしょう

智恵子の半生

高村 光太郎

Lesen Sie 智恵子の半生 (ちえこのはんしょう) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.697 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

一方神田淡路町に琅洞という小さな美術店を創設して新興芸術の展覧会などをやったり、当時日本に勃興したスバル一派の新文学運動に加わったりしていたと同時に、遅蒔の青春が爆発して、北原白秋氏、長田秀雄氏、木下杢太郎氏などとさかんに往来してかなり烈しい所謂耽溺生活に陥っていた。不安と焦躁と渇望と、何か知られざるものに対する絶望とでめちゃめちゃな日々を送り、遂に北海道移住を企てたり、それにも忽ち失敗したり、どうなる事か自分でも分らないような精神の危機を経験していた時であった。柳敬助君に友人としての深慮があったのかも知れないが、丁度そういう時彼女が私に紹介されたのであった。彼女はひどく優雅で、無口で、語尾が消えてしまい、ただ私の作品を見て、お茶をのんだり、フランス絵画の話をきいたりして帰ってゆくのが常であった。私は彼女の着こなしのうまさと、きゃしゃな姿の好ましさなどしか最初は眼につかなかった。彼女は決して自分の画いた絵を持って来なかったのでどんなものを画いているのかまるで知らなかった。そのうち私は現在のアトリエを父に建ててもらう事になり、明治四十五年には出来上って、一人で移り住んだ。