Japanische Klassiker mit Furigana
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あんごうレコードじけん
暗号音盤事件
海野 十三
Lesen Sie 暗号音盤事件 (あんごうレコードじけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.583 Zeichen · 24 Bildschirme
だから、宝物はまだ安全に、そこに隠されてあるのだと思う」
「ふーん、心細い話だ」私が、溜息と共にそういうと、白木は何を感じたか、私の傍へつと寄り、
「おい六升男爵。そうお前さんのように、何から何まで疑い深く、そして敗戦主義になっちゃ困るじゃないか。始めからそんな引込思案な考えでいっちゃ、取れるものも取れやしないよ」
「そうかしら」
「そうだとも。たしかにこの部屋にあるんだ。だから探し出さずには置かないぞ――とこういう風に突進していかなくちゃ、そこに顔を出している宝だって、見つかりはしないよ。引込思案はそもそも日本人の共通な損な性質だ」
白木は一発、痛いところをついた。そうかもしれない。私たちは、従来の教育でもって、どうもそういう性格がむきだしになっていけない。取れるものも取れないと、白木の警告した点は、さすがに身にしみる。
「おーい、待ってよう」
このときようやく、お嬢さん方の中で、一等健脚な一団が、私たちの視界の中までのぼってきた。
それは五人ばかりの一団だった。
先登に駈けあがって来た娘の顔を見て、私の心臓は少し動悸をうった。それはバーバラという非常に日本人に近い顔立ちの娘で、昨日から私の目について、望郷病らしいものを感じさせられたのであった。