Japanische Klassiker mit Furigana
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こよみ
暦
壺井 栄
Lesen Sie 暦 (こよみ) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 56.332 Zeichen · 112 Bildschirme
実枝がはじめて縫ってきた本裁の着物もただ藍地に白ぬきのあやめの花が分るだけであった。
「そうか、えい柄じゃなあ、実枝が着物縫うことなるんかいや、えらいなあ」
縫えたことだけをほめてくれる父親の前で、実枝は黙って着物をたたんだ。その実枝の、年よりも大きなのびた体を重吉はさするように眺め、また煙管をとり上げた。
「実枝はやっぱり六年すんだらカヤノ姉さん家い行くか」と聞いた。実枝はだまっていた。
「神戸の女学校いはいれてえいぞ。な、行くか」
重ねて聞かれて実枝はようやく頭を上げ、それでもなお目は伏せたまま、
「どっちでもえい」と、気のない答えをした。
「ほんなら、広島のミチ姉さん家い行くか――広島なら高等へ行くだけで女学校いは行けんぞ。やっぱり神戸がえいな」
そのことになると実枝が暗い顔になるのを重吉は引きたたせるようにいった。
「どうして実枝がうちにおったらいかんの」
と、実枝はまたいつものようにたずねる。
「どうしていうたって、母親のない子は心配じゃせになあ。実枝をおなごにせんならんさかい」
すると実枝は、
「うちはおなごじゃのに」という。実枝のいったことに笑っている父親に、