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Japanische Klassiker mit Furigana

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きょくていばきん

曲亭馬琴

邦枝 完二

Lesen Sie 曲亭馬琴 (きょくていばきん) von 邦枝 完二 (くにえだかんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.788 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

時々は芋が煮えた、目刺が焼けたと、気はこゝろの少しばかりでも、持って来てくれる世話焼は二人や三人ないでもなかった。

寺子屋机の前に、袴も取らずに坐っていた馬琴は、何んと思ったか、急にその場へごろりと横になると、如何にも屈托なさそうな欠伸をした。

「何かうまい物が、腹一杯食って見てえな。二三日して、京伝の家の居候になりゃア、盗み食いをしない限り、腹一杯は食えねえことになってるんだ。――だが、銭はなし。米はあるが虫ころげだし、せめて久し振りで鰯の顔ぐらい、見せてくれる親切な人ア、長屋中にゃアねえものかなア」

「もし、瀧沢さん。お客様がお見えなさいましたよ」

「えッ」

馬琴はこの声を聞くと、起き上り小法師のように、古畳の上へ起き直った。

「どうもこりゃアお上さん、お世話様でげした」

そういう声に、馬琴は聞き覚えがなかった。が、そのまゝではいられなかったと見えて、土間から油障子の外へ首を伸した。

「おいでなさいまし」

入口に立っていた男は、「ふん」と鼻の先で顎を掬った。

「お前さんは、さっき山東庵へおいでなすった、馬琴さんでげしょうね」

「はい、わたくしが、お尋ねの馬琴でございます」