Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つきとあざらし

月とあざらし

小川 未明

Lesen Sie 月とあざらし (つきとあざらし) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.817 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

「どこかで、私のかわいい子供の姿をお見になりませんでしたか。」と、哀れなあざらしは、声を曇らして、たずねました。

いままで、傍若無人に吹いていた暴風は、こうあざらしに問いかけられると、ちょっとその叫びをとめました。

「あざらしさん、あなたは、いなくなった子供のことを思って、毎日そこに、そうしてうずくまっていなさるのですか。私は、なんのために、いつまでも、あなたがじっとしていなさるのかわからなかったのです。私は、いま雪と戦っているのです。この海を雪が占領するか、私が占領するか、ここしばらくは、命がけの競争をしているのですよ。さあ、私は、たいていこのあたりの海の上は、一通りくまなく馳けてみたのですが、あざらしの子供を見ませんでした。氷の蔭にでも隠れて泣いているのかもしれませんが……。こんど、よく注意をして見てきてあげましょう。」

「あなたは、ごしんせつな方です。いくら、あなたたちが、寒く、冷たくても、私は、ここに我慢をして待っていますから、どうか、この海を馳けめぐりなさるときに、私の子供が、親を探して泣いていたら、どうか私に知らせてください。私は、どんなところであろうと、氷の山を飛び越して迎えにゆきますから……。