Japanische Klassiker mit Furigana
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げっせかいきょうそうたんけん
月世界競争探検
押川 春浪
Lesen Sie 月世界競争探検 (げっせかいきょうそうたんけん) von 押川 春浪 (おしかわしゅんろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.365 Zeichen · 17 Bildschirme
と思うと大鷲のごとく両翼を拡げた飛行船は徐々に上昇し初める。
「万歳※」
「秋山男爵の成功を祝す。」
「雲井文彦君万歳※」
と一時に破れるばかりの拍手と万歳の声が起って、いずれも帽を投げ、手布を振ってその首途を祝した。
飛行船は始めその両翼を静かに動かしながら徐々に上昇しつつあったが、次第にその速力を早めて来た、秋山男爵は東の方へ、雲井文彦は西の方へと針路を取って進んで行く。
刻一刻地上の者は次第に小くなって遂には、一番高い山の頂さえ見えなくなって終った後は、四面ただ漠々として、いずれを見てもただ雲ばかり、両方の飛行船すら如何なる距離を以て進んでいるやら、形も姿も見えない。
ただ雲の間を潜って、舳に据えた羅針盤を頼りに、どこをそれという的もなく昇って行くのである。
月界の到着
雲井文彦の飛行船は、地球を出発してからもう一週間になる。しかしまだ月らしい影も見えない。毎日毎日見る物は相も変らず、真白な雲ばかり、従者の東助はそろそろ心配し始めて、
「若旦那様、今日でもう一週間になりますがまだ何も見えませんのは、もしや方角でも取り違えたのじゃありありましねえか。