Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つきよのかくれんぼ

月夜のかくれんぼ

槙本 楠郎

Lesen Sie 月夜のかくれんぼ (つきよのかくれんぼ) von 槙本 楠郎 (まきもとくすろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N4. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N4 · Einstieg · moderne Kanji und Kana · 3.140 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

「もう、いいよう……」

小さな鬼は、なの花ばたけのほそいあぜづたいに、きえたこえのほうへ、ころがるように走ります。みだれ咲きのなの花に、からだがさわると、ヒラヒラと花びらのちるように、あちこちからチョウチョウがとびだしました。

「もう、いいかい?」

鬼の子どもが、またよびかけると、

「もう、いいよう……」

と、目のまえにひろがるなの花ばたけのあちこちから、こだまのようにこえがひびいてきました。

小さな鬼はそのこえをおって、なの花ばたけをまえへまえへ、進んでいきます。けれど、いけばいくほど、そのこえはとおくへとおくへにげていき、なの花ばたけはひろくなっていくようです。

「もう、いいかい?」

「もう、いいよう……」

たしかに、こんどは、だいぶおっかけてきたと思ってよぶと、やはりとおくからきこえます。そこで、またおっかけながらよびかけます。

「もう、いいかい?」

「もう、いいよう……」

こんどは、すこしちかくできこえました。そこで小さな鬼は、そのこえのしたほうへ、どんどんおっかけていきます。

でも、ひろいなの花ばたけで、なかなかおいつきません。このひろい田んぼは、村にいない大地主のものでした。