Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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げつめい

月明

豊島 与志雄

Lesen Sie 月明 (げつめい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.772 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

十一

」

それらの様子が変だった。が、青っぽい羽二重の帯を胸高にしめ、上からお召の羽織を背抜き加減に引っかけて、その紐を胸に小さくきっと結え、無雑作に分けた髪を耳の上で一つねじって低めに束ね、細い頸筋を差しのべて、心持ち眉根を寄せながら、睫毛の長い澄みきった眼で彼の方を窺ってるのは、やはり以前から見馴れた俊子だった。

「おかしいぞ、」と思う心が眼に籠って、彼女の顔をじっと眺めた。眼を外らしたのを、更にまじまじと眺めてやった。

「どうしたのよ、黙ってばかりいて。」

その方へ眼をやると、姉もまた顔を外らした。

「どうしたんです。」とこちらから尋ねてやりたいくらいだった。が、それから彼女達が、学校――二人は女子大学の同窓だった――へは十五日頃からで大丈夫だ、というようなことを話し出したのを聞いてると、少し分りかけてきたような気がした。

「今日は幾日です。」

「八日よ。」

姉の言葉と一緒に、鼻の高い痩せ形の真白い顔がこちらへ向けられたのを見て、彼は妙にぎくりとした。頭の中がまたもやもやとしてきた。

十一

無理に姉へねだって夕食の時少しばかり飲んだ酒のために、彼は身体がぐったりしてしまった。