Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あさめし
朝飯
島崎 藤村
Lesen Sie 朝飯 (あさめし) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.926 Zeichen · 6 Bildschirme
」
こう言い乍ら、自分は十銭銀貨一つ取出して、それを男の前に置いて、
「僕の家ばかりじゃない、何処の家へ行っても左様だろうと思うんだ。ただ呉れろと言われて快く出すものは無い。是から君が東京迄も行こうというのに、そんな方法で旅が出来るものか。だからさ、それを僕が君に忠告してやる。何か為て、働いて、それから頼むという気を起したらば奈何かね。」
「はい。」と、男は額に手を宛てた。
「こんなことを言ったら、妙な人だと君は思うかも知れないが――」と自分は学生生活もしたらしい男の手を眺めて、「僕も君等の時代には、随分困ったことがある――そりゃあもう、辛い目に出遇ったことがある。丁度君が今日の境遇を僕も通り越して来たものさ。さもなければ、君、誰がこんな忠告なぞするものか、実際君の苦しい有様を見ると、僕は大に同情を寄せる。まあ僕は哭きたいような気が起る。真実に苦しんで見たものでなければ、苦しんで居る人の心地は解らないからね。そこだ。もし君が僕の言うことを聞く気があるなら、一つ働いて通る量見になりたまえ。何か君は出来ることがあるだろう――まあ、歌を唄うとか、御経を唱げるとか、または尺八を吹くとかサ。