Japanische Klassiker mit Furigana
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もくばはまわる
木馬は廻る
江戸川 乱歩
Lesen Sie 木馬は廻る (もくばはまわる) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.819 Zeichen · 20 Bildschirme
と、彼の自慢のラッパをば、声はり上げて吹き鳴らすのだ。
世の中には、妙な商売もあったものだな。一年三百六十五日、手垢で光った十三匹の木馬と、クッションの利かなくなった五台の自動車と、三台の三輪車と、背広服の監督さんと、二人の女切符切りと、それが、廻り舞台の様な板の台の上でうまずたゆまず廻っている。すると、嬢っちゃんや坊ちゃんが、お父さんやお母さんの手を引っぱって、大人は自動車、子供は木馬、赤ちゃんは三輪車そして、五分間のピクニックをば、何とまあ楽し相に乗り廻していることか。藪入りの小僧さん、学校帰りの腕白、中には色気盛りの若い衆までが「ここはお国を何百里」と、喜び勇んで、お馬の背中で躍るのだ。
すると、それを見ているラッパ吹きも、太鼓叩きも、よくもまあ、あんな仏頂面がしていられたものだと、よそ目には滑稽にさえ見えているのだけれど、彼等としては、そうして思い切り頬をふくらしてラッパを吹きながら、撥を上げて太鼓を叩きながら、いつの間にやら、お客様と一緒になって、木馬の首を振る通りに楽隊を合せ、無我夢中で、メリイ、メリイ、ゴー、ラウンドと、彼等の心も廻るのだ。