Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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すだま

木魂

夢野 久作

Lesen Sie 木魂 (すだま) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.668 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

すなわち自分の魂をその絵に傾注し過ぎて、モトの通りのシックリした性格に帰れなくなったので、その結果スッカリ分裂して遊離してしまった個々別々の自分の魂から、夜も昼も呼びかけられるようになってしまったのだ。

……又、ベクリンという画伯は、自分に呼びかける自分の魂の姿を、骸骨がバイオリンを弾いている姿に描きあらわして不朽の名を残したものである。

……又、これを普通人の例に取って見ると、身体が弱かったり、年を老って死期が近付いたりした人間は、認識の帰納力とか意識の綜合力とかいったような中心主力が弱って来る結果、意識の自然分解作用がポツポツあらわれ初める。時々、どこからか自分の声に呼びかけられるようになる。だから身体が弱かった場合か、又は相当年を老った人間で、正体の無い声に呼びかけられるような事があったならば、自分の死期の近づいた事に就いて慎重なる考慮をめぐらすべきである」云々……。

この論文の一節を読んだ時に彼は、思わずゾッとして首を縮めさせられた。生れ付き虚弱な上に、天才的な、極度に気の弱い性格を持っている彼が、そうした不可思議な現象に襲われる習慣を持っているのは、当然過ぎる位当然な事と思わせられた。