Japanische Klassiker mit Furigana
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みらいのちかせんしゃちょう
未来の地下戦車長
海野 十三
Lesen Sie 未来の地下戦車長 (みらいのちかせんしゃちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.930 Zeichen · 85 Bildschirme
戦車博物館
その日の夕方、一郎は、家へ帰った。
弟や妹が、総出で、お膳の仕度をしていた。やがて、母親が、お勝手から、大きな丼にもりあげたおかずをもって、お膳のところへ来た。それから、まるで戦場のように急がしくて賑かな食事が、いつものように始まった。
一郎たちの父親は、一昨年、病気で亡くなった。だから、さびしい母親を、一郎をはじめ、四人の子供たちが、なぐさめ合い、元気をつけているのであった。
食事が終ると、子供たちは、母親のお手伝いをして、跡片付けだ。みんなが働くから、どんどん片付いていく。
その後は、みんなラジオの前に、あつまってくる。
だが、一郎は、その夜にかぎって、ラジオの前に出て来なかった。彼は、玄関においてある自分の机の前に坐りこんで、前に一枚の紙をのべて、しきりに首をひねっている。
紙の上は、まだ、まっ白だった。
「ええと、地下戦車というやつは、どんなところをねらって、こしらえればいいかなあ」
彼は、ひとりごとをいった。それで分った。彼は、いよいよ地下戦車の設計にとりかかったのである。察するところ、昼間、係長の小田氏からいわれたこと――“神に祈るのもいいが、ただ祈るだけじゃ、だめだ。