Japanische Klassiker mit Furigana
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みらいのてんさい
未来の天才
豊島 与志雄
Lesen Sie 未来の天才 (みらいのてんさい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.630 Zeichen · 38 Bildschirme
「面白い届け方をしなくちゃいけないね。」と河野は云った。
彼はずるそうな眼を輝かして、私の顔を覗き込んだ。こいつ煽てていやがるんだな、と私は思った。然し、その煽てに乗ってやるのも興味があった。
私達は食事をしながら、二品を届ける方法を相談し合った。一寸いい考えが浮ばなかった。私は困った。ここまで来て行きづまってはつまらなかった。私は静子と父親との生活を頭に浮べていた。
「いいことがある!」と私は叫んで卓子を拳で叩いた。
河野はきょとんとした眼付をした。
「何だ、喫驚するじゃないか。」
私はそれに構わず云い進んだ。
「父親の所へはよく碁の客が来て、晩遅くまでぱちりぱちりやってることがあるんだ。今晩行ってみよう。碁の音がしてるようだったら、その隙に乗じて郵便屋にばけて表から投げ込んでくるんだ……。え、どうだい?」
河野は何とも云わないで考え込んだ。私はその嫌に慎重ぶった態度が気に入らなかった。
「君が賛成しなけりゃ、僕一人でやるからいいよ。」と私は云ってやった。
「まだ賛成するともしないとも云わないじゃないか。」と河野は落付き払っていた。「然しへまなことをして飛んだ結果になるとつまらないぜ。