Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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すえっこ

末っ子

山本 周五郎

Lesen Sie 末っ子 (すえっこ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.564 Zeichen · 55 Bildschirme

Aozora Bunko

細江へゆけばきれいな口をきくだろう。必ずきれいな口をきいて、ことによると短刀を無償で返すかもしれない。おそらくその誘惑に勝つことはできないだろう、おれはへんな自尊心がつよいからな、と彼は思った。そして三日めの夕方に、ふと解決する手段を一つみつけた。それは、短刀といっしょに娘を嫁にもらう、ということである。細江の家名は生れて来る子供のうち、誰か一人に立てさせればいい。小出の家はみな子が多いから、自分にも二人や三人は生れるだろう。もちろん娘といっしょに母親も引取る、この条件なら悪くはあるまい、と思った。

「ばかなはなしだ」と平五はにわかに晴ればれとした顔つきで呟いた、「あれほどあの娘が好きだったのに、どうしてそこに気がつかなかったのか――欲だな」と彼は眉をしかめた、「短刀が惜しいという欲が先になったんだ、あさましいもんだ」

明日は細江を訪ねよう。そう決心をして家へ帰ると、すぐ父に呼ばれた。告げに来たのは母で、お父さまがたいそう怒っているから、いったらすぐにあやまりなさい、と云う。なにを怒っているのかと訊いたら、なんでもいいから早くいってあやまれ、と云うばかりであった。