Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅにっき

朱日記

泉 鏡花

Lesen Sie 朱日記 (しゅにっき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.583 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

源助、それ、近々に学校で――やがて暑さにはなるし――余り青苔が生えて、石垣も崩れたというので、井戸側を取替えるに、石の大輪が門の内にあったのを、小児だちが悪戯に庭へ転がし出したのがある。――あれだ。

大人なら知らず、円くて辷るにせい、小児が三人や五人ではちょっと動かぬ。そいつだが、婦人が、あの児を連れて、すっと通ると、むくりと脈を打ったように見えて、ころころと芝の上を斜違いに転がり出した。

(やあい、井戸側が風で飛ばい。)か、何か、哄と吶喊を上げて、小児が皆それを追懸けて、一団に黒くなって駆出すと、その反対の方へ、誰にも見着けられないで、澄まして、すっと行ったと云うが、どうだ、これも変だろう。

横手の土塀際の、あの棕櫚の樹の、ばらばらと葉が鳴る蔭へ入って、黙って背を撫でなぞしてな。

そこで言聞かされたと云うんだ。

(今に火事がありますから、早く家へお帰んなさい、先生にそう云って。でも学校の教師さん、そんな事がありますかッて肯きなさらないかも知れません。黙ってずんずん帰って可うござんす。怪我には替えられません。けれども、後で叱られると不可ませんから、なりたけお許しをうけてからになさいましよ。