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Japanische Klassiker mit Furigana

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むらのせいこうしゃ

村の成功者

佐々木 邦

Lesen Sie 村の成功者 (むらのせいこうしゃ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.883 Zeichen · 84 Bildschirme

Aozora Bunko

「一番側まで行ったのは僕だぜ」

と坂本君が主張した。

「僕だよ」

「僕さ。僕のところへは尾崎さんの唾が飛んで来た。真正に謦咳に接したのは僕さ」

「僕のところへも飛んで来た。歯が悉皆見えたぜ。入歯だけれど、あれは金じゃない。プラチナだろう」

と卓造君と勝田君は感銘が深い。

「僕は香水の香まで嗅いでいる」

と坂本君が笑った。

「何あんだ。その方か?」

と勝田君も相好を崩した。

「実際綺麗だね、東京のモダン・ガールは」

「僕が誘った丈けのことはあったろう?」

「うむ。僕は直ぐ側まで行って、滝を見る振りをして顔を見ていたのさ」

「図々しい奴だ」

「動く度に香水の香がプーンさ。ヘッヘヽヽヽ」

と坂本君は大喜びだった。

「僕は口をきいたよ」

と卓造君が言った。

「嘘をつけ」

「真正だよ。一番小さい人が『この水は何処から来るの?』って、貴公子に訊いたのさ。すると貴公子が『君、この水は何処から来る?』って僕に訊いた。『僕の村から涌いて来ます』って、僕が答えたのさ」

「それじゃ間接だ」

と勝田君は安心した。

「僕の村からなんて言えば田舎漢と思われるよ」

と町生れの坂本君は常に都人士をもって自任している。