Japanische Klassiker mit Furigana
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とうかいどうごじゅうさんつぎ
東海道五十三次
岡本 かの子
Lesen Sie 東海道五十三次 (とうかいどうごじゅうさんつぎ) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.849 Zeichen · 28 Bildschirme
こういう場所は殊にしみじみさせる。西の方には尚多いと言った。
それに不思議なことはこの東海道には、京へ上るという目的意識が今もって旅人に働き、泊り重ねて大津へ着くまでは緊張していて常にうれしいものである。だが、大津へ着いたときには力が落ちる。自分たちのような用事もないものが京都へ上ったとて何になろう。
そこで、また、汽車で品川へ戻り、そこから道中双六のように一足一足、上りに向って足を踏み出すのである。何の為めに? 目的を持つ為めに。これを近頃の言葉では何というのでしょうか。憧憬、なるほど、その憧憬を作る為めに。
自分が再々家を空けるので、妻は愛想を尽かしたのも無理はない。妻は子供を連れたまま実家へ引取った。実家は熱田附近だがそう困る家でもないので、心配はしないようなものの、流石にときどきは子供に学費ぐらいは送ってやらなければならぬ。
作楽井は器用な男だったので、表具やちょっとした建具左官の仕事は出来る。自分で襖を張り替えてそれに書や画もかく。こんなことを生業として宿々に知り合いが出来るとなおこの街道から脱けられなくなり、家を離散さしてから二十年近くも東海道を住家として上り下りしていると語った。