Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

とうかいどうごじゅうさんつぎ

東海道五十三次

岡本 かの子

Lesen Sie 東海道五十三次 (とうかいどうごじゅうさんつぎ) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.849 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

私たちはその夜、島田から汽車で東京へ帰った。

結婚後も主人は度々東海道へ出向いた中に私も二度ほど連れて行って貰った。

もうその時は私も形振は関わず、ただ燻んでひやりと冷たいあの街道の空気に浸り度い心が急いた。私も街道に取憑かれたのであろうか。そんなに寂れていながらあの街道には、蔭に賑やかなものが潜んでいるようにも感じられた。

一度は藤川から出発し岡崎で藤吉郎の矢矧の橋を見物し、池鯉鮒の町はずれに在る八つ橋の古趾を探ねようというのであった。大根の花も莢になっている時分であった。

そこはやや湿地がかった平野で、田圃と多少の高低のある沢地がだるく入り混っていた。畦川が流れていて、濁った水に一ひらの板橋がかかっていた。悲しいくらい周囲は眼を遮るものもない。土地より高く河が流れているらしく、やや高い堤の上に点を打ったように枝葉を刈り込まれた松並木が見えるだけであった。「ここを写生しとき給え」と主人が言うので、私は矢立を取出したが、標本的の画ばかり描いている私にはこの自然も蒔絵の模様のようにしか写されないので途中で止めてしまった。

三河と美濃の国境だという境橋を渡って、道はだんだん丘陵の間に入り、この辺が桶狭間の古戦場だという田圃みちを通った。