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Japanische Klassiker mit Furigana

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まつかぜのもん

松風の門

山本 周五郎

Lesen Sie 松風の門 (まつかぜのもん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.862 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

じつに思切った一刀である。けさがけに斬り放された浪人が、根株ばかりの泥田へ、横ざまに顛落するのを見ながら、道の上に犇めいていた人々は慄然と色を喪った。まさかと思ったのである、そして八郎兵衛の一刀は、そのまさかという感じを根底から覆えす断乎たるものであった。

「みな鎮まれ、得物を捨てろ」

八郎兵衛は大剣を右手に、声高く叫びながら進んだ。すると人垣の中から更に二人、小具足を着けた浪人者が、ひとりは太刀、ひとりは槍を取って走り出て来た。八郎兵衛は足も緩めず、「鎮まれ、手向いする者は斬るぞ」そう叫びながらぐんぐん寄って行った。

槍を持った浪人が、喉の裂けるようなするどい声で絶叫しながら突込んだ。そして八郎兵衛が体を捻った刹那に、太刀を振かぶった浪人が跳躍して斬込んだ。然しなんとも形容しようのない、ぶきみな音が聞えたと思うと、槍の半ばから真向へ斬割られた一人は道の上に、片方は右手の稲叢の堆を血に染めながら倒れていた。

「得物を捨てろ」八郎兵衛は更に進みながら叫んだ、「向うには鉄砲五十挺が並んでいるぞ、軍師などと申して一揆を企んだ浪人者は斬って捨てたが、おまえ達にお咎めはない、みな得物を捨てて静かに御沙汰を待て、手向いする者はいま見たとおり容赦なく斬るぞ」