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Japanische Klassiker mit Furigana

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うめづしえんおうでん

梅津只円翁伝

杉山 萠円

Lesen Sie 梅津只円翁伝 (うめづしえんおうでん) von 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.582 Zeichen · 130 Bildschirme

Aozora Bunko

何かの都合で、その休みの日に行くと翁はセッセと野菜畑で働いていたりしたが、直ぐに足を洗って来て稽古をしてくれた。休み日だからといって決して悪い顔をしたり稽古を断ったりしなかった。

初めて小謡を習いに行くと、翁は半紙を一帖出して自分で紙縒をひねって綴じる。それから墨を磨って表紙に「小謡」と書いて、その右下に弟子の姓名を書く。その一枚をめくって、

「サア、何がよかろうのう」

なぞとニコニコ独言を云いながら、二句ぐらいの簡単な和吟に胡麻節を附けたのを書いて投与える。それを畳の上に置いて待っていると、翁が机の横から這い出して来て真正面に座る。

「そうそう。チャンと両手を膝に置いて」

とお行儀を教えながら二度程繰り返して附けてくれる。それでも出来ないと、蠅打の柄や、張扇で頭をピシャリとたたく事もあった。

その次に来ると今一度謡わせられて、恙なく記憶えていると又一つ新しいのを書いてもらえる。すこし上達して来ると、

「節の附かんとも時々は良かろう」

と云って文句ばかりを書いてくれることもあった。最初は面喰ったが後には慣れて来た。

翁が書いてくれた小謡本には略字や変体仮名が多いので、習って帰ると直ぐに朱で仮名を附けたものであったが、翁は別に咎めなかった。