Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もりのいしまつ

森の石松

山中 貞雄

Lesen Sie 森の石松 (もりのいしまつ) von 山中 貞雄 (やまなかさだお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.949 Zeichen · 49 Bildschirme

Aozora Bunko

どうしたんだ?」

お静、石松を見る。

石松、後姿。銭を廻してる。

七五郎も気付く。

「おや?」

お静が、

「兄さん……?」

「お静、大きくなったなァ」

「兄さん」

「なんだ、石松、お前先刻から其処に居たのか。黙ってるなんて人が悪いぞ」

石松、笑って店へ入る。お静が、

「兄さん、意地悪ねえ」

「お前が、あんまり綺麗になってるもんだから、すっかり見違えて居たんだよ」

「知らない」

石松笑う。七五郎が、

「あれ、石松、眼どうしたんだい」

「なに、なんでもねえんだよ」

石松、奥の間を見て、

「お父っつあん居ねえのか」

「清水へ行ったわ」

「清水へ? 何日?」

「四日程前よ」

「何しに行ったんだ」

「おはんさんから手紙が来たの」

「おはんさんって……誰だ」

七五郎が、

「お前の女房じゃねえか?」

「あッ、お半から何か云って来たのか」

「知らない。兄さん意地悪したから教えない事よ」

「手紙あるだろう。見せて呉れ」

「知らない」

「見せろよ」

「兄さん、何時お嫁さん貰ったの」

「おい、手紙何処にあるんだ」

「妾達に内緒でお嫁さん貰ったりして、お父っつあん怒ってたわよ」