Japanische Klassiker mit Furigana
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もりのいしまつ
森の石松
山中 貞雄
Lesen Sie 森の石松 (もりのいしまつ) von 山中 貞雄 (やまなかさだお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.949 Zeichen · 49 Bildschirme
「いや、お前のきっと喜ぶ事だ」
「俺の喜ぶ事って?」
「実は俺を次郎長親分の身内に加えて貰えねえだろうか」
「お前が……親分の身内になりてえって……」
「俺も、おッ母ァが居なくなって、誰にも遠慮も要らねえし、何時迄もこんな田舎でくすぶってるのは厭だから……やくざになって一生を楽しく暮そうと決心したンだ」
「七五郎、其奴ァよくねえ考えだ。お前はやくざになるのはよせ」
「何だって?」
「やくざ稼業なンて、他で見る程楽しいものじゃねえ」
「そんな事位え、俺だって判ってるよ。しかしやくざは男の中の男だってお前言ったじゃねえか」
「いや、お前は此処で、堅気で暮した方が倖せだ」
「石松、お前三年前に故郷を出る時、俺に一緒に清水へ行こうとすすめた時の事を忘れたのか」
「七五郎、お前が何と云って頼んだって俺ァお前をやくざにしたかねえ、俺ァ厭だ」
S=茶畑
七五郎、腹立たしそうに戻って来る。
吉兵衛、兼吉等と姿を現わす。
「あッ親分」
「おい、石松は帰って来てるだろう」
「いいえ」
「なァ七五郎、教えてくれりゃ、五両だすがな、どうだ、七五郎」
七五郎、立ちすくむ。