Japanische Klassiker mit Furigana
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しいのき
椎の木
豊島 与志雄
Lesen Sie 椎の木 (しいのき) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.870 Zeichen · 52 Bildschirme
本当かどうか分らないが、もし少しでもそういうことがあれば、これは常人のやるべきことではない。それにまた、さる芸妓となじんで、それを家に引き入れたり、外に連れ歩いたりして、そのために経済状態がめちゃだという。いろいろ考えて見ると、狂人としか思えないのである。
「そういうわけだから、君も、あの人と親しくしてるなら、それとなく様子を探ってみないか。僕もあの人を学者としては尊敬しているから、いよいよの時には何とか考えてみることにしよう。」
良一はさっぱり腑におちなかった。芸奴の一件は、あの女かと見当はついたが、椎の木とか青年のことになると、時々出入りしてるのに、さっぱりそんな様子は見えなかった。何かの誤解かも知れないし、も少し調べてみなければなるまいと、良一は気にかかってくるのだった。
そして用件はそれだけにして、良一は誘れるままに、支那料理をたべに伯父のお伴をした。伯父は老酒が好きだったので、良一もその相手をしてるうちに、いいかげんに酔ってきた。
伯父と別れて八時頃、良一は川村さんの方へまわってみた。
川村さんの家は、ちょっと引込んだ構えで、通りから五六間はいったところに、すぐ洋式の扉となっていた。