Japanische Klassiker mit Furigana
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なんこうふじん
楠公夫人
上村 松園
Lesen Sie 楠公夫人 (なんこうふじん) von 上村 松園 (うえむらしょうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.234 Zeichen · 5 Bildschirme
「楠公夫人は、代表的な河内型のお顔であったという言いつたえが残っています」
と教えてくれた。
一体どういう顔立ちが河内型なのか私には一向見当がつかなかった。
「今でもたまには、その河内型の女性が残っているそうですから、発見したらおしらせします」
そう言って私のお弟子さんは帰って行ったが、しばらくすると、
「とても美人の河内型をみつけましたからお出でになりませんか」
と、いう手紙が来た。
私は急いで、筆と紙を持つと、その日河内の国へ発った。
甘南備の里の某家の若妻であった。
面長の色の白い品のいい顔立ちの婦人であった。
私がスケッチを頼むと、その婦人は私の目的を知らないので、何かてれくさいような容子をしていられたが、私のお弟子さんが、うまくとりなしてくれて、ようやくスケッチすることが出来た。
私は青葉もれの陽の下で、みどりの陽光がその白い顔を染めている上品なつつましやかな婦人の姿を写しながら、ときどきこの婦人にむかしの衣装を想像の上で着けてみ、楠公夫人のみ姿を心の中で描いてみた。
スケッチがすむと私は夫人ゆかりの観心寺その他を一巡して往時を偲んだ。
もう一年にもなるが、私の楠公夫人はまだ下絵を描くところにまでも運んでいない。