Japanische Klassiker mit Furigana
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たてごし
楯輿
山本 周五郎
Lesen Sie 楯輿 (たてごし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.377 Zeichen · 17 Bildschirme
のびやかな考えかたもあってよいではないか」「お言葉ですがそれはご尤もとは申上げかねます」与八郎は即座に答えた、「……こなたさまの時代には合戦もおうようなところがございました、たとえば戦場で敵と槍をあわせながら、穂尖の汚れているのに気づいたので敵を待たせて置いて槍を洗ったとか、打ちあいちゅう敵の刀が折れたので得物を替えるまで待っていたとか、それに類する逸話が幾らもあります、また出陣するに当っては一番槍、一番乗りを誓い、功名てがらを競うという風でございました、しかし近来は銃砲の発達につれて戦の法もはげしく、全軍のちからが一点に集注するかしないかで勝敗のわかれが決定します、その一点とはいさぎよい死にざまという目標のほかにありません、もはや一番首も一番槍もないのです、功名てがらは末の末です、将も兵もただひとついさぎよく死ぬ決意、その一つに全軍のちからが集注してこそ合戦を勝にみちびくことができるのだと信じます」「……なるほど」長尾勘兵衛はちょっと眼を光らせたが、「いかにも銃砲が発達して近来は戦法もたいそう変って来た、単に銃砲が発達したばかりでなく、合戦そのものも年々しぜんと変化してゆく、それはたしかなことだ、しかし人間はそうたやすく変ってゆけるものではない、おれたちが若い頃とそのほうたちとの差は、武器や物具や攻防