Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たてごし

楯輿

山本 周五郎

Lesen Sie 楯輿 (たてごし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.377 Zeichen · 17 Bildschirme

Aozora Bunko

城代の備中守繁元は承知しそうだったが、玄蕃はそばからきびしくはねつけた、左衛門大夫より直筆の証文でもまいればともかく、留守を預かるわれらとして、さような如何わしき軍勢を一兵たりとも入れることは成らぬ、たってとならば弓矢を以てお迎え申そう、そう云ってあたまから拒絶したのだ。「……集って貰った仔細はこれだ」玄蕃は一同を見まわして云った、「おそらく治部少輔はすぐ兵を向けるであろう、大軍を迎えて勝算はないが、防げるだけ防いで、いさぎよく討死をするのが留守のつとめだと信ずる、みなすぐ部署について呉れ」そして用意してあった持場の割り書をひろげて、誰はどこ彼は此処と順々に指名していった。

住居へ戻った与八郎は、いきなり妻を呼んで大阪へゆけと云った。大阪には御しゅくん左衛門大夫の妻子がいる、治部少輔がこれを無事に置くわけはない、すぐ駆けのぼってお護り申せというのだった。松は色も変えずにはいと答え、立っていったかと思うとすぐ身支度をととのえて出て来た、あんまりすばやいので、「あとの始末はいいのか、生きては帰れぬぞ」と念を押した。松はやはり「はい」と答えただけである。