Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.073 Zeichen · 223 Bildschirme
「いや待って下さい」と新左衛門は強く遮った、「七十郎は乱暴者ですが、大事と小事をみあやまるほど、早合点な人間ではありません、また、これは失礼な申しようかもしれませんが、松山どのは貴方ともっとも親しく誰よりも貴方を理解しておられる、これは御自分がよく知っていらっしゃる筈です」
「話しが脇へそれたようだ」と甲斐が云った、「私はこの月の下旬に結婚をし、十月末に出府する、出府したら国老就任をお受けするつもりです」
「お受けなさる」
新左衛門はきれながな眼で、ひたと甲斐の眼をみつめ、ややしばらく口をつぐんだ。それからひと言ずつ区切って、だめを押すように訊いた。
「一ノ関と岩沼に対する六カ条の件、一ノ関領における金山所属の問題、こんどはまた涌谷と寺池のあいだに地境の諍いが起こっています、これらも重要だが、家中には奥山どの弾劾の気運が、相当ひろく動きだしているようですが」
甲斐は左の手をあげて、その指の爪を、一本ずつ丹念に眺めだした。
「国老に就任されるとすると、早速これらの問題に当面されるわけで、どう解決するかというみとおしをつけられたことと思うが、どうでしょうか」