Japanische Klassiker mit Furigana
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.073 Zeichen · 223 Bildschirme
六郎兵衛はあとを促した。
たいしたことじゃないんです、とおみやが云った。鬼役のなかで誰と誰がいいか、鳥羽というのはお部屋さま付きの老女から、若君の抱守にあがった人ですけれど、その鳥羽とかいう人と、三沢頼母という人、それから仙台の本丸城代、この人の名は忘れましたわ、この三人がどうかしたとか、これからどうとかするとか、と云うのを聞きました。なんだ、と六郎兵衛は云った。どうしたかということがわからなくては、なんにもならないじゃないか、なにか推測ぐらいできないのか。それだけ聞くのも精いっぱいよ、あたし頭が悪いから推測なんてできやしませんわ。おまえは頭の悪いことを自慢にしているぞ。だって本当にそうなんですもの。ふん、それで全部か。もう一つあるんです、とおみやは坐り直した。
「兵部さまが、亀千代ぎみの袴着のときに、と仰しゃったところ、殿さまが、それはこちらから知らせよう、と云われました」
「袴着というのはいつだ」
「あたし知りませんわ」
「おちつけ」と六郎兵衛は妹を睨んだ、「そうそわそわするな、まるでさかりのついた雌犬のようだぞ」
「あたしおちついてますよ、でもこれでもう話すことは残らず話しましたわ」