Japanische Klassiker mit Furigana
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そり
橇
黒島 伝治
Lesen Sie 橇 (そり) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.663 Zeichen · 24 Bildschirme
そして彼は、イワンに橇を止めさせると、すぐとびおりて、中隊長と云い合っている吉原の方へ雪に長靴をずりこませながら、大またに近づいて行った。
中隊長は少佐が来たのに感づいて、にわかに威厳を見せ、吉原の頬をなぐりつけた。
イワンは、橇が軽くなると、誰れにも乗って貰いたくないと思った。彼は手綱を引いて馬を廻し、戦線から後方へ引き下った。彼が一番長いこと将校をのせて、くたびれ儲けをした最後の男だった。兵タイをのせていた橇は、三露里も後方に下って、それからなお向うへ走り去ろうとしていた。
彼は、疲れない程度に馬を進めながら、暫らくして、兵卒と将校とが云い合っていた方を振りかえった。
でっぷり太った大隊長が浅黒い男の傍に立っていた。大隊長は怒って唇をふくらましていた。そこから十間ほど距って、背後に、一人の将校が膝をついて、銃を射撃の姿勢にかまえ兵卒をねらっていた。それはこちらからこそ見えるが、兵卒には見えないだろう。不意打を喰わすのだ。イワンは人の悪いことをやっていると思った。
大隊長が三四歩あとすざって、合図に手をあげた。
将校の銃のさきから、パッと煙が出た。