Japanische Klassiker mit Furigana
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きみつのみわく
機密の魅惑
大倉 燁子
Lesen Sie 機密の魅惑 (きみつのみわく) von 大倉 燁子 (おおくらてるこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.394 Zeichen · 37 Bildschirme
は暗い横道へ曲って行ってしまったそうです。
さて宴会が済んで、自分の寝室へ退いてから、白石さんは握手した時、彼女の手が変にねばねばしていたことをふと思い出して、何心なく自分の掌を見ますと、処々に赤いものがついているというのです。
オヤと思って見ると何だか血のような色をしているので、いつどこで怪我をしたのだろうとよく改めてみましたが、どこも怪我はして居りません。
怪しいなと思いながら拭こうと思ってハンケチを出しますと、皺くちゃになったその白いハンケチにも処々血がこびりついているのです。変なこともあるものだと思いながら、夜も更けていたし、そのまま眠ってしまったと申します。
翌朝オッフィスに出た時は、もう昨夜の事など殆ど忘れて居りましたが、総領事の命で書類を金庫に出しに行った時、金庫の扉の前に一滴ぽたりと血がたれているのを見て、はっと思い同時に昨夜のことが頭に浮んでまいりました。すると何ということなしに不安な気持ちに襲われて、前後の考えもなく血を拭おうといたしましたが、血はもう乾いて床にこびりついていて拭きとるのに骨が折れたそうです。それから金庫の扉を開けようとすると、扉のところによれよれになった護謨のようなものがはさまっていて、開ける拍子にぽろりと落ちたので、それも拾って、ハンケチと一緒にポケットの中に入れ