Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

とちのはな

橡の花

梶井 基次郎

Lesen Sie 橡の花 (とちのはな) von Kajii Motojirō (梶井 基次郎) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.685 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

二

とその番号を心のなかで極め、託宣を聴くような気持ですれちがうのを待っていた――そんなことをした時もあったとその日云っておりました。そしてその話は私にとって無感覚なのでした。そんなことにも私自身がこだわりを持っていました。

二

或る日Oが訪ねてくれました。Oは健康そうな顔をしていました。そして種々元気な話をしてゆきました。――

Oは私の机の上においてあった紙に眼をつけました。何枚もの紙の上に Waste という字が並べて書いてあるのです。

「これはなんだ。恋人でも出来たのか」と、Oはからかいました。恋人というようなあのOの口から出そうにもない言葉で、私は五六年も前の自分を不図思い出しました。それはある娘を対象とした、私の子供らしい然も激しい情熱でした。それの非常な不結果であったことはあなたも少しは知っていられるでしょう。

――父の苦り切った声がその不面目な事件の結果を宣告しました。私は急にあたりが息苦しくなりました。自分でもわからない声を立てて寝床からとび出しました。後からは兄がついて来ておりました。私は母の鏡台の前まで走りました。そして自分の青ざめた顔をうつしました。