Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.781 Zeichen · 235 Bildschirme
彼は、思いきって父に恭一の手紙を見せ、事情をたずねてみようかと考えた。しかし子供のくせにさし出がましいと思われそうな気もし、また、たずねたためにかえって父にいやな思いをさせそうにも思えたので、つい言い出しそびれてしまった。そして、恭一には、それから五六日もたってから、自分の見たままのことを書いて、一先ず返事を出しておいたのである。
そうこうするうちに、一学期も押しつまり、試験の準備に時間をとられたり、宝鏡先生の転任で気をつかったりして、とうとう夏休みを迎えたわけだったが、その間、ともかくも、店の仕事はつづけられ、また、たまには罎詰の数がいくらかふえたり、新しい四斗樽が何本か運びこまれたりしたのを見たので、彼も当初ほどには店のことを気にかけなくなり、何もかも恭一が帰って来た上でのことだという気になっていた。
ところが、恭一は、八月の五六日頃になっても帰って来なかった。それを心配していろいろ言い出したのは、まずお祖母さんだった。次郎もむろん内々心配はしていたが、俊亮の顔色をうかがうだけで、口に出してはそれと言わなかった。俊亮は、ただ、
「どこか、山登りでもして来るんでしょう。