Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.781 Zeichen · 235 Bildschirme
いつかも白鳥会でみんなに話したとおり、誠は積まなきゃならない。一滴の水の力を信じて、次から次に辛抱づよく一滴を傾ける。そしてそういう人が二人になり、三人になり、十人になり、百人になる。そこに人生の創造があるんだ。」
次郎は、「真面目であればあるほど、そんな気持になりたがるものだ。」と言った先生の言葉を、決して聞きのがしてはいなかった。それが「もっての外だ」と叱られたあとだけに、一層つよく彼の胸にひびいたのである。そして、そのせいか、そのあとの先生の言葉が、割合にすらすらと、胸に収まるような気がした。
「ミケランゼロという伊太利の彫刻家がね、――」
と、先生は、いくぶんゆったりした調子になって、
「ある日、友人と二人で散歩をしていた時に、路ばたの草っ原に大理石がころがっているのを見つけた。彼は、しばらくその黒ずんだ膚を見つめていたが、急に友人をふりかえって、この石の中に女神が擒にされている、私はそれを救い出さなければならない、と言った。そして、その大理石を自分のアトリエに運びこませ、それから毎日丹念に鑿をふるっていたが、とうとう、それを見事な女神の像に刻みあげてしまったそうだ。