Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.781 Zeichen · 235 Bildschirme
で、私は、これから、閉店後十日あまりの彼の日記を抜書きすることによって、しばらく私自身の記述の労を省きたいと思う。これは、彼が中学三年――あたりまえだと四年の年齢だが――の青年にしては、多少ませ過ぎていることを、彼自身をして証明させるためにも、実は必要なことなのである。
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八月二十一日
父は起きるとすぐ、自分で、閉店の貼紙を店のガラス戸に貼りつけた。貼りつけてしまって笑っている。こんな時になぜ父が笑ったのか、僕にはよくわかるような気がした。しかし、僕はべつに笑ってもらいたくはなかった。笑ってもらったために、かえって淋しい気さえしたのである。
貼紙を出したあと、僕はいやにその貼紙が気になった。半紙一枚に、候文でかなりながい文句が書いてあるので、あまり人目をひくものではなかったが、それでも気になってしようがなかった。この暑いのに、店戸をおろしたままにしてあったためかも知れない。僕は午前中、思い出しては格子の中から外をのぞいて、道行く人たちの顔に注意した。自分でつまらないことだと思いながら、どうしてもそれを制しきれなかったのである。子供のころの自分が思い出されて、つくづくいやになった。