Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 117.781 Zeichen · 235 Bildschirme
彼は、しかし、すぐそれを後悔した。そして、
「大沢さんどこまで行ったんだろう。」
と、べつのことを言った。
二人は、寝床が変り過ぎているのと、ひもじいのとで、しばらくは眠れそうにもなかったが、体が温まるにつれて、ついうとうととなっていた。すると、
「本田、本田――」
と呼ぶ声が、どこからかきこえて来た。恭一は、びっくりしてはね起きたが、その時には、大沢は、もう藁の上にのぼっており、真晴な中をごそごそと手さぐりしているのだった。
「すまんかったなあ、つい寝ちゃって。」
恭一が闇をすかしながらそう言うと、大沢はその声の方にはって来ながら、
「十五六分も行くと、小さな村があったんだ。しかし、とても泊めてくれそうにないよ。どうも僕の人相が悪いらしいんだ。しかし、やっと駄菓子だけは手に入れて来た。今夜はこれでがまんするんだな。」
それから、ばさばさと紙の音をさせていたが、
「次郎君は、ねちゃったのか。――起こしちゃかわいそうかね。」
次郎も、しかし、その時には眼をさましていたのである。彼は、
「僕、おきています。」
と、恭一の肩につかまりながら、起きあがった。
三人は、それから、大沢のもって来た新聞紙の袋に、かわるがわる手をつっこんでは駄菓子を食った。