Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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うたあんどん

歌行灯

泉 鏡花

Lesen Sie 歌行灯 (うたあんどん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.094 Zeichen · 72 Bildschirme

Aozora Bunko

……暁の、とだけ十日かかって、やっと真似だけ弾けますと、夢になってもう手が違い、心では思いながら、三の手が一へ滑って、とぼけたような音がします。

撥で咽喉を引裂かれ、煙管で胸を打たれたのも、糸を切った数より多い。

それも何も、邪険でするのではないのです。……私が、な、まだその前に、鳥羽の廓に居ました時、……」

「ああ、お前さんは、鳥羽のものかい、志摩だな。」

と弥次郎兵衛がフト聞入れた。

「いえ、私はな、やっぱりお伊勢なんですけれど、父さんが死くなりましてから、継母に売られて行きましたの。はじめに聞いた奉公とは嘘のように違います。――お客の言うことを聞かぬ言うて、陸で悪くば海で稼げって、崕の下の船着から、夜になると、男衆に捉えられて、小船に積まれて海へ出て、月があっても、島の蔭の暗い処を、危いなあ、ひやひやする、木の葉のように浮いて歩行いて、寂とした海の上で……悲しい唄を唄います。そしてお客の取れぬ時は、船頭衆の胸に響いて、女が恋しゅうなる禁厭じゃ、お茶挽いた罰、と云って、船から海へ、びしゃびしゃと追下ろして、汐の干た巌へ上げて、巌の裂目へ俯向けに口をつけさして、(こいし、こいし。