Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいぎ

正義

浜尾 四郎

Lesen Sie 正義 (せいぎ) von 浜尾 四郎 (はまおしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.327 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

どうだ、君お互に妥協し合うことは出来ないだろうか」

「……というと?」

「つまりA氏に法廷に出て貰うのだ。けれどその時、ただ一人でM温泉に行っていたことにすればA氏に迷惑はかからないだろう」

「しかし、裁判官にどうしてその時そこにいたかときかれたらどうしますか。Aは嘘をつくのですか。あなたは弁護士として証人に嘘を云わせる気ですか」

「いや、決してそうではない。刑事訴訟法第百八十八条には証言をなすによって自分に法律上の危険が来得る時には、その点に就いて証言を拒む事が出来るように規定してある。即ちA氏の場合には、見た事実だけを語ればいいので、その他の点は証言を拒めばいいわけなのだ」

「衣川さん。あなたは実に法律家ですね。そして実に法律的にしか考えられないのですね。考えてごらんなさい、成程法律はそう出来て居るかも知れません。しかしAがその点について証言を拒む事は一面から見れば、或る種の自白と同様じゃありませんか」

「しかし決して危険はないわけだが」

「それは法律問題です。事実問題として危険がないとどうして云えますか。この事件にAのような証人が飛び出すことだけで新聞は賑わいます。