Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しのよこく

死の予告

野村 胡堂

Lesen Sie 死の予告 (しのよこく) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.149 Zeichen · 34 Bildschirme

Aozora Bunko

「何をつまらない、それより伯爵へ挨拶をしないか」

「あ、そうか、私は早坂勇です」

「私は海原、千種君には昔から御懇意に願って居ります。どうぞ宜しく。今回は又飛んだ面倒な事をお願いするかも知れんが――」

「至極結構です。なるべく面倒な事件ほど面白いんで――」

「何をつまらない事を言うんだ」

「つまらない事って奴は無いよ、サア、聞こう、どんな話だ」

「足の勇」へどんな事を話したか、此処へ繰り返す必要はありません。伯爵からも事件の経過を隠すところなく話して、

「さて、何うしたものでしょう早坂さん、三月十三日というと、あと五六時間しか無いが」

伯爵の言葉を押えるように、

「ナニ、御心配はありませんよ。頭の悪い犯罪者ほど、却ってそんな事をするものです。そんな事でもしなければ、相手を嚇かすことが出来ないからです」

「早坂、大層君は賢こそうになったじゃないか」

「賢こいのは俺の地だよ。平常はこれに馬鹿で燻しをかけて居るだけの事さ――それはそうと、その二十三年前に捨てられた婦人というのは、今生きて居たら幾つ位になるでしょう」

「四十五六にもなるでしょうか」

「その婦人は、雇人か何んかに化けて、此屋敷の中へ紛れ込んで居るような事はありませんか」