Japanische Klassiker mit Furigana
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しのふくしゅう
死の復讐
国枝 史郎
Lesen Sie 死の復讐 (しのふくしゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.539 Zeichen · 16 Bildschirme
その時部落の人達は、イサク殺害者の若者が、死刑に処せられたということを風のたよりに聞くことが出来た。それで一旦忘れかけたイサク殺しの一件が人々の間に甦えり、ひとしきり噂をされたけれど、やがて再び忘れられた。斯うして春も夏も過ぎ秋草の花が咲き乱れる初秋の季節が音信れて来た。
或日、部落の人達が野遊びに行った帰えり、路をイサクの家の裏手に出た。全く孤独なイサク老人がああいう有様で死んでからは其家に誰も住む者はなく、幽霊屋敷と云いふらされて荒れに荒れたまま立っていたが、さすがに季節は争われず、家を囲んだ秋草が所得顔に咲いていた。見る影もない廃屋と清らかな秋草の対照とが一つの調和をあらわして中々捨てがたい風情なのを、その連中は嬉しがって互にはしゃぎ乍ら見廻っていた。そして不幸なイサク老人が拳銃の弾丸で心臓を撃たれてそのまま俯向に倒れていた耕地の畔へ来た時に一斉に感嘆の声を上げた。虹が地上に下り敷いたのか、様々の宝石を零したのかと間違えられる程美しい花畑が其処に在ったからで、彼等は其処へ佇んだままただ恍惚と眺めていた。しかし彼等の恍惚は次第次第に醒めて来た。